2022年3月25日

CLOTHE

みんなどうしてる?スーツ袖ボタンの仕上げ

新品のスーツやジャケットで、最初から袖ボタンが付いていないモデルがありますが、どうすれば良いかご存じですか?
あれは袖丈の補正することが前提になっている仕立ての為、あえて未処理になっているのです。
袖丈補正後にボタンやボタンホールをつけるのです。決して手抜きしているわけではありませんよ。
お店でスーツを購入したり、お直し屋さんで袖ボタンをつける際、『ボタンのつけ方はどうしますか?』なんて聞かれることも多いと思います。
でも、正直 何が正解なのか分かりません!
そんなケースでお悩みの方、そして疑問に思われていた方に、当店が考えるオススメの仕上げや方法をご紹介します。

1.袖ボタンって何のためにある?

ボタンという特性を考えると、開く為についていると考えがちです。でも実際に袖ボタンを開いて何かをすることは、ほとんどないと思います。
元々はナポレオンが自軍の兵隊に鼻水を拭くのをやめさせる為に袖ボタンを考案したとか、お医者さんが手を洗ったりオペをするときに袖をまくる必要があったから本切羽が生まれたといった、袖ボタンに関する様々な話が残っています。その話がどこまでが真実なのかは不確かなようですが、袖ボタンにも長い歴史と由来があることは事実です。
現代において、袖ボタンは “装飾” の意味合いが非常に強いです。装飾だからこそ、そこに様々なこだわりが生まれてくるのです。


2.どういう仕上げがあるの?

袖ボタンの仕上げは、大きく分けて、本切羽、空き見せ2種類が主になります。
・本切羽(ほんせっぱ) 袖ボタンと一緒にボタンホールも空いている仕上げ。実際にボタンを開け閉めできるのが特徴です。(本開きと同義)
・空き見せ(あきみせ) 袖ボタンと一緒に飾りのボタンホールが付いている仕上げ。ボタンの開け閉めは出来ませんが、見た目の違和感はありません。
他には筒袖(つつそで)等といった、その名の通り筒状になった袖等もありますが、こちらは修理の必要がないので、ご安心ください。

本切羽のメリット・デメリット

メリット① 高級感とこだわりを感じる
元々がビスポーク(注文服)のスーツで使われる仕様の為、一回り高級感があります。同時に、玄人感のあるこなれた雰囲気を演出することができます。

メリット② 実際に開け閉めできる
実際にボタンを外して、袖をまくる事ができます。作業や手洗い等、腕をまくれたらいいのにと思った事がある方は、本切羽が良いでしょう。また、あえて一つボタンを外したりといったこだわりのある着こなしを求める方にお勧めです。

デメリット① 料金が高額になる
実際にボタンホールを開けるので、当然料金も高額になります。お店や仕様によって差はありますが、大体5,000円~8,000円位(袖丈詰めなし)の費用がかかります。
更に生地や仕立てによるチャージアップもあり得るので、作業前にお直し屋さんときちんとお話するのが良いでしょう。また納品まで時間がかかる場合もありますので、お急ぎの方は注意が必要です。

デメリット② サイズ補正が出来ない
袖口にボタンホールが開いているジャケットは、袖丈の長さ補正が困難です。なぜなら空いたボタンホールは移動できないから。
それでも長さ補正を行うなら、肩から詰める、あるいはバランスが悪くなる可能性を覚悟して、袖先から調整するかになります。
無理すればできないこともないですが、仕上がりが想像と違うといったこともあるので、あまりお勧めできません。
原則、一度本切羽にしたものは、長さ補正は難しいとお考えいただいた方が賢明です。

空き見せのメリット・デメリット

メリット① 料金が抑えられ、納期が早い
おおよそ3,000円(袖丈詰めなし)位で修理が可能で、納期も本切羽より早いことが多いです。
手軽ですし、経済的にも負担が少ない仕様なので、「そこまでこだわらなくて良い」という方は空き見せがお勧めです。

メリット② 長さ補正が可能
飾りのボタンホールとボタンで成形された空き見せは、ボタンを付けた後でも長さ補正が可能です。もし後々に誰かに譲る可能性があったり、最初のサイズ感に不安がある場合は、空き見せで仕上げるのが賢明です。ただし、飾りのボタンホールを解く際に、跡が残ってしまう場合もありますので、気になる方は注意が必要です。

デメリット① 見た目が簡素
簡素な飾りのボタンホールになりますので、見た目で少々物足りなく感じる事があります。お直し屋さんによって差が出る部分で、ただステッチが入ったような質素な飾りボタンホールになってしまう事もあります。仕上がりを見てがっかりしない為にも、作業前に仕上がり後の見本を確認すると良いでしょう。

デメリット② 開ける事ができない
スーツの使用にあたってはそこまで問題ないと思いますが、ボタンを開閉することが出来ません。本切羽に慣れた方、袖をまくることがある方は、多少不便を感じる事があるかもしれません。

3.自分なりのアレンジも可

本切羽と空き見せの特性が分かってくると、その中で更に好みがでてきます。
各々のこだわりの部分ですね。
例えば、袖口から一番近いボタンをつける場所(スタート位置)、ボタンの並べ方、ボタンやボタンホールカラー変更、手縫いボタンホール等、色々と自分好みにアレンジできます。
ちょっとしたオーダーメイド感覚で、自分好みの仕様に仕上げてみてください。

4.テイスト別 袖仕上げのおすすめ

ハンドメイドスーツ、リクルートやビジネススーツ、デザイナーズスーツ等、スーツのテイストによって、袖ボタンの付け方も少しずつ変化していきます。
例えば、クラシコイタリアのようなハンドメイドのスーツは、手仕事によるボタンの付けが良く似合います。
そのスーツのテイストによく合う、おすすめのボタン付けをご紹介します。

ハンドメイドスーツ

クラシックで味わい深い雰囲気のハンドメイドスーツ。高価なスーツも多いので、せっかくだからそのぬくもりを大切にした仕上げにしたいですね。そうなると、やはりこだわりを感じる本切羽がお勧め。ボタンの付け方は、立体感のある”重ねボタン”がお勧めです。ボタンのスタート位置は4cm位が無難ですが、お好きな方は4.5cm等にされる方も多いです。さらにこだわる方は、本切羽のボタンホールを手縫いで仕上げる形。プリっとした立体感のあるボタンホールは、ハンドメイドのスーツとよく合います。とはいっても通常の本切羽より更に高額になるので、どうしてもという方にお勧めします。

ビジネススーツ

シンプルで汎用性のあるビジネススーツ。仕事で使う事がほとんどの為、きちんとした印象を与える仕上げがベターです。それなら、おすすめは”並べボタン”。袖ボタンがぎりぎり触れる程度に並び、きちんとした印象に仕上がります。一番オーソドックスな仕上げになりまして、どんなジャケットでも違和感なく仕上げられる、汎用性の高い仕上げです。

デザイナーススーツ

洗練された雰囲気のデザイナーススーツ。そうなると袖ボタンにも遊び心を持たせてみたいですね。良くあるアレンジでは、ボタンホールのひとつだけ別カラーを選択する方法。例えば濃色のスーツにレッドのボタンホールをひとつ加えるだけで、ぱっと見で目を引く華やかなスーツに生まれ変わります。それ以外だと、ボタン同士を少し離してつけたり、別のボタンをつけたりといった方法もおすすめです。元々がデザイン性の高いスーツなので、自分なりの思い切ったアレンジに挑戦するのも面白いですね。

5.中古は袖丈補正できる?

「もう少し袖を長くすれば良かった」、「中古で買ったけど、袖丈合わないな」そんなケースもよくあるスーツの袖丈。
でも諦めないでください。一度仕上げた袖も、出したり詰めたりできるケースもあります。

袖を詰める場合

基本的に、長い袖を短くすることは可能です。
とはいっても、無理に詰めるとバランスを崩したり、着心地が悪くなったりしますので注意が必要です。

本切羽・・・・基本的には肩から詰める事になります。肩を一度外して、カットして、もう一度つけるといった作業ですが、結構な手術になりまして費用も高くなります。また肩のアームホールがきつくなってしまうので、着心地やサイズ感が大きく変わってくる場合もあります。難しいお直しなので、スタッフと相談のうえ行うのが賢明です。

空き見せ・・・袖口から詰めることがほとんどです。
その場合、ボタンとボタンホールを移動しなければならないので、その分の工賃が加算されます。
ボタンの移動によって生地に跡が残るので、それが気になる場合は、肩から詰める事もあります。
肩から詰める場合は、先述のように着心地にも影響しますので、なるべく袖口から詰める事をおすすめします。

袖を出す場合

一度カットしてしまった袖丈を出すのは、物理的に生地が足りないので、なかなか難しいです。
見えない部分の生地の余り等も関わってくるので、『出来たらラッキー』位の気持ちで臨んでください。

本切羽・・・・袖先の内側が額縁のカドのような作りになっている場合は、袖先からもお出しすることができないとお考え下さい。
そのかわり、袖の生地が内側に折り畳まれた仕様だと、少しだけお出しすることが可能です。
表地と裏地の余り生地も関係してくるので個体差がありますが、1cm位は出せる事が多いです。
お出しした場合は、ボタンのスタート位置が上にきてバランスが変わってきますのでご注意ください。

空き見せ・・・・原則は上記の本切羽と一緒で、できる場合もあります
。本切羽との違いは、ボタンホールが開いている本切羽はボタン移動ができませんが、空き見せは移動させることができるのということ。
ボタンとボタンホールを移動すれば、スタート位置が気にならなくなりますので、本切羽よりも仕上がりが良くなる可能性が高いです。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか?袖のお直しに関する疑問は解消できましたか?
長さ補正は、素人が自分でやるのはかなり困難です。ほとんどの場合お店に頼むと思いますが、『可否』『テイスト』『費用』といった内容が理解できていないと、思わぬ失敗をしてしまうかもしれません。
せっかくお金をかけて失敗するのはとても悲しいですし、ことによっては着用自体が難しくなってしまう事もあります。
そういった理由から、まだあまり経験のない方は、”空き見せ”で仕上がるのがベターだと思います。失敗も少なく、仮に失敗してもそこから挽回できる可能性がありますから。
“本切羽”については、費用も高額なので、経験を積んだ方がお好みで仕上げるのが良いと思います。
実際スーツが好きな方でも、あえて空き見せで仕上げる事も多いですし、どっちが優れているという事はありません。
好み、ご予算、納期、今後の修理の可能性、それらを踏まえた上で、ご自分に一番合う方法をお選びください。

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